犬が噛むときのしつけ方!成犬が人や物を噛む理由と理由別の直し方
なでていたら急に手を噛まれた、足元にまとわりついて噛んでくる。愛犬に噛まれると、痛いうえに悲しい気持ちになりますよね。犬が噛むのには必ず理由があり、理由に合わせて対応を変えると落ち着いていくことが多いです。この記事では、成犬が人や物を噛む理由の見分け方と、理由ごとのしつけ方をまとめました。生後6か月ごろまでの子の甘噛みは、甘噛みの記事を先に読んでください。

動物病院に行く目安
- 噛んだ物を飲み込んだかもしれない、ぐったりしている
- さわると悲鳴をあげるほど痛がり、激しく唸る・噛む
- 急に噛むようになった、体の一部をさわると唸る・噛む
- 噛むのと一緒に、歩き方がおかしい、食欲がない、体をしきりになめる
- シニア犬が、前は平気だったお手入れや抱っこで急に噛むようになった
- シニア犬が急に怒りっぽくなり、食べない・呼吸が荒いなどもある
- シニア犬が夜にうろうろする、名前を呼んでも反応がにぶい
夜間や休日は、かかりつけか夜間救急の動物病院に電話して指示を聞きましょう。
人の顔を噛んだ、けがをさせたときは、家族だけで抱えずドッグトレーナーへの相談を急ぎましょう。
目次
犬が噛むときのしつけの前に知りたいこと
犬が噛むのは、言葉のかわりに「いやだ」「やめて」「遊ぼう」を伝えていることがほとんどです。いきなり叱る前に、どんな噛み方なのかを見てみましょう。
| 噛み方 | 様子 | 考えられる気持ち |
|---|---|---|
| 軽くくわえる・はむはむ噛む | しっぽを振る、体がやわらかい | 遊びたい、かまってほしい |
| 強く噛んですぐ離す | 体が固い、耳を伏せる、唸る | 怖い、いやだ、やめてほしい |
| 噛んだまま離さない、何度も噛む | 目をじっと見る、歯を見せる | 物や場所を守りたい、強い警戒 |
子犬の甘噛みは歯の生え変わりや遊びの一つで、対応が少し違います。生後6か月ごろまでの子は、甘噛みの記事を先に読んでください。
関連記事子犬の甘噛みのしつけ方!いつまで続くかと噛まれたときの止め方成犬が人を噛む主な理由
怖い・びっくりした
寝ているときに急にさわられた、知らない人に上から手を伸ばされた、などの場面で多い噛み方です。逃げられないと感じると、身を守るために噛みます。苦手な相手や場面を知っておき、無理に近づけないようにしましょう。
ごはんやおもちゃを守りたい
食事中に器へ手を近づけたとき、くわえたおもちゃを取ろうとしたときに噛むのがこのタイプです。取られると思うほど守ろうとする気持ちは強くなります。無理に取り上げず、交換の練習をしましょう。
遊びの興奮がおさまらない
引っぱりっこや追いかけっこで盛り上がると、手や足を噛んでしまう子がいます。体力のある若い犬や、散歩や遊びが足りない犬によく見られます。
噛むと思いどおりになると覚えた
噛んだら抱っこをやめてもらえた、ブラシが終わった、という経験がくり返されると、いやなことを止める合図として噛むようになります。噛まれて手を引くのは当然ですが、そのあとの流れを少し変えることで減らせます。
体のどこかが痛い
いつもはおとなしい子が急に噛むようになったときは、関節や歯、皮膚などの痛みが隠れていることがあります。この場合はしつけでは直らないので、受診の目安を確かめてください。
理由ごとの止め方と、次から噛ませない工夫
| 理由 | その場の止め方 | 次から噛ませない工夫 |
|---|---|---|
| 怖い・びっくり | 手を引いて静かに離れる | 寝ているときはさわらない。来客には自分から近づくまで待ってもらう |
| ごはん・おもちゃを守る | 取り上げずに距離をとる | もっと好きなおやつと交換する練習をする |
| 遊びの興奮 | 遊びをすぐ止めて10〜30秒離れる | おもちゃを使って遊び、手で遊ばない |
| 思いどおりになると覚えた | 噛んだ直後に要求をかなえない | 噛む前に終わらせ、短い時間からほめて慣らす |
| 痛み | さわるのをやめる | 動物病院で診てもらう |
どの理由でも、噛んだあとに大きく反応しないことが共通の基本です。叫んだり追いかけたりすると、遊びの続きだと思う子もいます。
今日からできる噛まない練習
ここでは、遊びの興奮や要求で噛む成犬を想定した対応の一例を紹介します。怖がって噛む子には、無理にさわる練習をしないでください。
- 噛む前のサインを覚える体が固まる、目をそらす、唇をなめる、唸る。このサインが出たら手を止めて離れます
- 噛んだら遊びを止める「痛い」と短く言って手を引き、10〜30秒ほど背を向けるか部屋を出ます。部屋を出るのは短い時間だけにし、危ない物のない場所で。叱るより「楽しいことが終わる」と伝えます
- 噛まずにいられたらほめる落ち着いてそばにいられた、おもちゃを噛んだ、という瞬間に小さなおやつと声でほめます
- 噛んでいいおもちゃを渡す手や足に向かってきたら、ロープや硬めのおもちゃを差し出し、そちらを噛んだらほめます
- 交換の練習をするくわえている物の前におやつを見せ、離したらおやつをあげて物を返します。取られない安心が守る気持ちを弱めます
変化が出るまでは、犬によって数週間〜数か月かかります。噛む回数も強さも2〜3週間まったく変わらないときは、やり方を見直すためにプロに相談しましょう。
- 家族みんなで同じ対応にそろえる
- 手で遊ばない、足を追わせない遊びは誰もしない
- おやつは小さくちぎり、1日のごはんの量から減らす
家具やリードなど物を噛むときは?
ソファの脚やスリッパ、散歩のリードを噛むのは、退屈やエネルギーのあまりが原因のことが多いです。留守番のあいだに物を壊すときは、ひとりでいる不安が関係していることもあります。
- 噛まれたくない物を片づける 届く場所に置かないのがいちばん確実です
- 散歩と遊びの時間を見直す 体を動かしたあとは落ち着きやすくなります
- リードを噛むとき 立ち止まって待ち、離したら歩き出します。噛んでいいおもちゃを持っていくのも一つの方法です
- 電気のコードは必ず隠す 感電や誤食の危険があるので、カバーをつけるか届かない所へ
物を飲み込んだかもしれないときは、しつけより先に動物病院に電話しましょう。
噛む犬にやってはいけない対応
- 叩く、マズル(口のまわり)をつかむ、仰向けに押さえつける
- 大声で怒鳴る、追いかけ回す
- 唸っている犬にさらに手を近づける
- 噛まれたあとにおやつや抱っこで機嫌をとる
体罰や押さえつけは、犬に「この人は怖い」と覚えさせ、もっと強く噛む原因になります。怖さで一時的に止まっても、噛む理由は残ったままです。上下関係をわからせるという古い考え方は、今は勧められていません。
唸るのは「これ以上はいやだ」という大切な合図です。唸ったことを叱ると、合図なしにいきなり噛む子になることがあります。止めたいときは手を引いて離れ、落ち着いたらよい行動をほめましょう。
しつけ教室やプロに相談する目安
次のようなときは、家族だけでがんばらず、ドッグトレーナーやしつけ教室、動物病院の行動の相談に頼りましょう。
- 人の顔を噛んだ、血が出るほど噛んだことがある
- 家族の中に、怖くて犬にさわれない人がいる
- 小さな子どもやお年寄りと一緒に暮らしている
- 2〜3週間練習しても、噛む回数も強さも変わらない
相談するときは、いつ・どこで・誰を・何をしたあとに噛んだかをメモしておくと、理由を見つけてもらいやすくなります。ほかの人や犬を噛んでしまったときの手当てや届け出は、別の記事で説明しています。
関連記事犬に噛まれたらどうする?応急手当と病院に行く目安、噛まない対策関連記事犬のしつけの基本!教える順番と、叱らずに覚えてもらうためのコツ次に噛まれたら、まず手を引いて静かに離れよう
噛まれた直後は、声を上げずに手を引き、少しのあいだ離れます。落ち着いたら、どんな場面で噛んだかを思い出してメモしましょう。噛む前のサインに気づいて先に離れ、噛まずにいられたらほめる。これを家族でくり返していきましょう。
関連記事イヌスタグラムよくある質問
成犬になってからでも噛み癖は直る?
多くの場合、理由に合わせて対応を変えれば少しずつ減っていきます。犬によって数週間〜数か月かかるので、変化がなければプロに相談しましょう。
柴犬は噛みやすい?
柴犬だから噛むとは言い切れません。さわられ方や暮らしの影響が大きく、一頭ずつの差もあります。お手入れは短い時間からほめて慣らしましょう。
飼い主だけを噛むのはなぜ?
いちばん近くにいて、遊びやお手入れをする相手だからです。家族の中で対応がばらばらになっていないかも見直してみてください。
噛んだときに「ダメ」と言うのはいい?
短く言って手を引くのはかまいません。大声で何度も叱るより、遊びを止めて離れるほうが伝わりやすいです。
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