犬の無駄吠えの直し方!吠える理由の見分け方と理由別のしつけ
インターホンが鳴るたびに吠える、ごはんの前にずっと吠える。愛犬の吠え声に困っている飼い主さんは多いですよね。でも、犬にとって吠えるのは気持ちを伝える大切な手段で、どの吠え方にも理由があります。この記事では、吠える理由の見分け方と、理由に合わせた直し方を、今日から家でできる形で紹介します。
- 無駄吠えには、要求・警戒・こわい・うれしい・さみしいなどの理由がある。まず理由を見分ける
- 要求吠えには反応しない、警戒吠えはきっかけを減らす、のように理由ごとに直し方を変える
- シニアになって急に吠えるようになった、夜中に吠え続けるときは、体の不調を疑って動物病院へ
- 吠えると同時に、ぐったりする、ごはんを食べない、呼吸が荒い、けいれんがある
- 体をさわると痛そうに鳴く、唸る
- 今まで静かだった犬が、急に吠えるようになって2日以上続く
- シニア犬が夜中にぐるぐる歩きながら吠え続ける
- 子犬のころから吠えやすく、元気も食欲もある
- インターホンや来客など、きっかけがはっきりしている
目次
犬の無駄吠えはなぜ起こる?
飼い主さんにとっては「無駄」に聞こえても、犬の吠えには、たいてい何かを伝えたい理由があります。よくある理由は次の5つです。
| 理由 | よくある場面 | 吠え方の特徴 |
|---|---|---|
| 要求 | ごはんの前、遊んでほしいとき、ケージから出たいとき | 飼い主さんを見ながら、くり返し吠える |
| 警戒 | インターホン、窓の外を人や車が通ったとき | 窓や玄関に向かって、低く強く吠える |
| こわい | 散歩中にほかの犬や知らない人に会ったとき | 後ずさりしながら吠える。しっぽが下がる |
| うれしい | 飼い主さんの帰宅、来客、遊びの途中 | 高い声で、跳ねながら吠える |
| さみしい | 留守番中、飼い主さんが部屋を出たとき | 遠くに呼びかけるように長く吠える |
このほか、運動が足りずに元気が余っているときや、退屈なときにも吠えやすくなります。生後6か月から1歳半ごろは、警戒心が育って吠えがふえることもあります。
関連記事犬の反抗期はいつからいつまで?よくある行動と叱らない乗り切り方吠え方で理由を見分けるコツ
同じ「ワン」でも、理由がちがえば直し方もちがいます。まずは2〜3日、吠えたときの様子を書き留めてみましょう。
- いつ吠えたか(時間)
- 何がきっかけだったか(音、人、犬、飼い主さんの動き)
- どこを見て吠えていたか(飼い主さん、窓、玄関)
- しっぽと耳の様子、体が前に出ているか後ろに引いているか
- 吠えたあと、何が起きたか(かまった、おやつをあげた、相手がいなくなった)
最後の「吠えたあと何が起きたか」が大切です。吠えたら望みがかなった経験があると、犬はまた吠えます。記録を見ると、知らないうちに吠えるくせを育てていた場面に気づけます。
理由別の直し方
要求吠えは反応しない
ごはんの前や遊んでほしいときに吠えるのは、吠えれば飼い主さんが動くと覚えているからです。吠えている間は目を合わせず、声もかけずに待ちましょう。静かになって3〜5秒たったら、ほめてから応えてあげます。
やめ始めると、一時的に前より激しく吠えることがあります。ここで応えてしまうと「もっと吠えればいい」と覚えるので、家族で対応をそろえましょう。何年も続いた習慣だと時間がかかりますが、2〜3週間続けても少しも減らないときは、トレーナーや動物病院に相談するのがおすすめです。
警戒吠えはきっかけを減らす
窓の外を通る人や車に吠えるなら、窓に目かくしのシートを貼る、ケージを窓から離すなど、見えない工夫をしましょう。インターホンに吠えるなら、次の練習が役に立ちます。
- 落ち着く場所を決めるクレートやケージ(ハウス)、または犬用のマットを1か所に置きます。
- 音を小さく聞かせるスマートフォンで録音したチャイムの音を小さく流し、すぐにハウスやマットへおやつで誘います。
- 入れたらほめる入れたらおやつをあげてほめます。慣れたら少しずつ音を大きくし、本物のチャイムでも試します。
ハウスが安心できる場所になっていると、音がしたときも自分から入って落ち着けるようになります。
こわくて吠えるときは距離をとる
散歩中にほかの犬に吠えるのは、こわくて「来ないで」と伝えていることが多いです。吠えない距離まで離れ、相手が見えたら名前を呼んでおやつをあげましょう。「ほかの犬が見えるといいことがある」と覚えると、少しずつ近い距離でも落ち着けるようになります。
うれしくて吠えるときは落ち着いてから
帰宅したときや来客のときに興奮して吠えるなら、落ち着くまであいさつを待ちましょう。飼い主さんが高い声で応えると、さらに興奮します。静かになったら、ゆっくり声をかけてなでてあげます。
さみしくて吠えるときは留守番に慣らす
飼い主さんの姿が見えなくなると吠えるなら、別の部屋に数秒行って戻る練習や、1〜2分の留守番から少しずつ時間をのばしていきます。出かける前と帰ったあとに大げさにかまわないことも大切です。
関連記事犬の分離不安症とは?症状のチェックと留守番に少しずつ慣らす方法吠えたその場でする3つのこと
- きっかけから離す窓のカーテンを閉める、ほかの犬から離れるなど、吠える理由になっているものを見えなくします。
- 別の行動をお願いする警戒やこわさで吠えているときは、「おすわり」「ハウス」など、吠えながらはできない行動を声かけし、できたらほめます。要求吠えのときだけは声をかけずに待ちます。
- 静かになったらほめる吠えやんで数秒たったら、やさしくほめておやつをあげます。静かにするといいことがある、と覚えてもらいます。
いちばん効くのは、吠える前に止めることです。記録でわかったきっかけ(チャイムの前の足音など)に気づいたら、吠える前に声をかけておすわりをさせてみましょう。
運動不足の犬は吠えやすくなりがちです。散歩を少し長くする、部屋におやつを隠して探させる、中におやつを詰めるおもちゃ(知育おもちゃ)で遊ぶなど、頭と体を使う時間も増やしてみましょう。
関連記事犬におすわりを教える方法!できない原因と子犬にも伝わる上手な教え方してはいけない対応
- 大きな声で叱る
- 叩く、口をつかむなどの体罰
- 吠えたら電気や水が出る首輪など、痛みやこわさで止める道具
大きな声で叱ると、犬にとっては「吠えたら飼い主さんが反応してくれた」ことになり、かえって吠えが増える場合があります。
体罰やこわさで止める道具は、一時的に静かになっても、こわくて吠えている犬の不安をさらに強めやすく、飼い主さんへの信頼もそこないます。今のしつけでは、静かにできたときにほめるやり方が基本です。
急に吠えるようになったら要注意
子犬のころから吠えやすい、もともと警戒心が強い犬種である、という場合はあまり心配いりません。気をつけたいのは、今まで静かだった犬が急に吠えるようになったときです。体の痛みやかゆみ、目や耳の衰えで不安になっていることがあります。
シニアになると、年をとって脳の働きが衰えること(認知機能の低下)で、夜中に理由なく吠え続けることもあります。
- 吠えると同時に、ぐったりする、ごはんを食べない、呼吸が荒い、けいれんがある
- 体をさわると痛そうに鳴く、唸る。歩き方がおかしい
次のようなときは、急ぎではありませんが、今日か明日には動物病院で相談しましょう。
- 今まで静かだった犬が、急に吠えるようになって2日以上続く
- シニア犬が夜中に同じ場所をぐるぐる回りながら吠え続ける
- 呼んでも反応が鈍い、物にぶつかるなど、目や耳の衰えが疑われる
体の不調が理由なら、しつけでは直りません。吠えの相談は、ふだんのかかりつけの動物病院で始めれば大丈夫です。
直るまでの近所への気づかい
しつけには時間がかかります。直るまでの間は、まわりへの気づかいも大切です。
- ケージを外に面した壁や窓から離す
- 防音のカーテンや床のマットで、音が外にもれにくくする
- 留守番が長い日は、家族や預け先の力を借りる
- 顔を合わせたときに「練習中です」とひと声かけておく
ひと言伝えておくだけで、ご近所の受け止め方はずいぶん変わります。
吠える理由を知って、愛犬と静かな毎日を
無駄吠えは、愛犬からの「困っているよ」「こうしてほしいよ」という合図です。まずは2〜3日の記録から始めて、いちばん多い理由の対策を1つ選んでみましょう。成犬でも、続けるうちに減っていくことが多いです。
関連記事犬のしつけの基本!教える順番と、叱らずに覚えてもらうためのコツよくある質問
成犬になってからでも無駄吠えは直る?
多くの場合は減らせます。子犬より時間はかかるので、理由に合わせた対応を続け、2〜3週間たっても変わらなければ専門家に相談しましょう。
超音波で吠えを止めるグッズは使っていい?
犬をこわがらせて止める道具は、不安からくる吠えをかえって強めることがあります。先に理由を見分けて、ほめるしつけから始めましょう。
口輪をつければ吠えなくなる?
口輪は噛む事故を防ぐための道具で、吠えを直すものではありません。長い時間つけるのも避けましょう。
どうしても直らないときは?
ドッグトレーナーや、行動の問題を相談できる動物病院に相談しましょう。家の様子を見てもらうと、理由が見つかりやすくなります。
あわせて読みたい
横にスライドして見る(6本)